เข้าสู่ระบบ20%オフセール二日目。
昨日は思った以上に売り上げが伸びず、売り場では暗い空気が漂っていた。
しかも、それに追い打ちをかけるような数字も出てきた。
「今日はセール二日目ということだが……」いつものように店長のあいさつで接客が始まる。「昨日の売り上げを他店と比べてみたのだが、現在一位のクローバーに3倍の差を付けられてしまった」3倍の差を!?さすがにクローバーには敵わないと思っていたけど、3倍も差を付けられていたとは。
先が思いやられる。
「まだ今日で二日目だ。気落ちせず、いつも通り笑顔でいきましょう」続いて元気の良い返事が聞こえ、オープンの準備に取り掛かった。二日目の今日、頑張ろうっと。昨日よりたくさん売れるといいな。
いや…&hell
梅雨も明けた頃。久しぶりに傘を持たずに出勤した時のことだった。「あっ、麻菜じゃん!おはよー!」デパートまであと数十メートルというところで、春菜に会った。1週間くらい顔を合わせていなかっただけなのに、かなり久しぶりのような気がした。「おはよう、春菜」わたしの姿を見るなり駆けて来た春菜は、わたしの隣に並んだ。すると、そこへ。「おはよう、麻菜」わたしの頭をポンポンと優しく叩き、追い抜いて行ったのは……仲森さんだ。隣では彼のそんな行動に驚きを隠せない春菜。「あっ……お、おはようございます。仲森さん……」すぐに先を歩いて行ったしまった彼の背中を見つめながら、小さく呟いた。どうしよう……まだドキドキしてる。頭、触られて、おはようって言われただけなのに。「ちょっと!麻菜!どういうこと!?」「え……?どういうことって?」「今のなに!?仲森さんと寄り戻したの!?」驚いたように、もの凄い形相でわたしに突っかかってくる春菜。寄り戻したって……そんなこと。「あるわけないでしょ。でも……」「何よ?あっちは結構その気だったみたいだけど」「最近いろいろあって……今夜話聞いてくれない?」「まあ、いいわよ。こっちも今のでいろいろ聞きたいことあるし」困った時はいつも親友である春菜に相談していた。大人になってもその関係は変わることなく……今もこうして続いているん
それから幸さんの気が済むまで、愚痴を聞いて。気付いたらもうすぐ日付が変わろうとしていた。「幸さん、大丈夫ですかね?一人で帰っちゃいましたけど」自棄になって、幸さんの顔はかなり赤く染まっていた。あんなにお酒に強いのに、珍しい。「大丈夫だろ、アイツの彼氏にさっき連絡しといたし」帰り際、仲森さんが携帯をいじっているのは知っていたけど。幸さんの彼氏に連絡してたんだ。「なら大丈夫ですよね。幸さん、彼氏さんと仲直りできるといいんですけど」「そーだよなぁ。アイツらには早く仲直りしてもらわないと、愚痴聞かされるこっちの身がもたねーし」こんなこと言ってる仲森さんだけど。また二人が喧嘩した時は、こうして愚痴聞いてあげると思う。だって、彼は本当に優しい人だから。相手の気が済むまで、ずっと付き合ってあげると思うの。「それよりさぁー。はい」「………はい?」何やら手を差し出してくる仲森さん。この手は一体……なに?「久しぶりに手繋いで帰ろう」「え……手、繋いでって……え?」戸惑うわたしを余所に、表情一つ変えずに手を掴んだ彼。触れた瞬間、手にジワリと汗がにじんだ。「な、仲森さん!ちょっ!手、離してくださいって!」「麻菜、久しぶりじゃね?こうして手繋いで帰るの。高校生以来?」わたしの抵抗も敵わず、逆に握る力を強めてきた。「なんか、懐かしいなぁ。麻菜もそう思わない?」わたしも思っていた。まるで昔を思い出させるこのシチュエーション。
それから彼の行動はさらに積極性を増していった。周りも驚くほどに、彼はわたしに関わってくるようになった。「麻菜、今日これから飲み行かない?」仲森さんからの突然のお誘い。これにはわたしも戸惑いを隠せなかった。だって、こんなに直球に誘われることなんて今までなかったから。「あ、あの……今日は幸さんと約束があって」用事がなくても断るつもりでいたけれど、今日はちょうど幸さんとの約束があった。幸さんと飲みに行く約束が。「ふーん。アイツとねぇ。おーい、田畑ー!」すると、突然幸さんの名前を呼んだ仲森さん。「何よ、大声出して」「今日さ、麻菜と飲みに行くんだって?」「そうよー」「じゃあ、俺も行くから」「あっそー。了解ー!」何なんだ、このあっさりした会話は……。幸さんなんて迷うことなくOKしちゃったし。関わらないように努力はしているものの、ここ最近はこうしてその努力はあっさりと砕け散っている。今日の飲み会……どうなっちゃうんだろう。「麻菜ちゃーん!ボーっとしてないで、早く行くわよー!」「あっ、はーい!今行きまーす!」幸さんの呼びかけにハッと我に返って、並んで待つ二人の元へ駆けていった。わたしってこんなに流されやすかったっけって最近嫌になる。またこうして仲森さんの隣を歩くなんて。流されやすすぎよね、わたし。「麻菜って昔から意識飛んでたよなぁ。よくボーっとしてたし」「えっ……そんなことないです……今もたまたま」昔から仲森さんはわたしのことをボ
ねぇ、どうしたらいいの?わたしはこれから彼とどう接したらいい?仲森さんから予想外な告白を受けた次の日。もちろん冷静ではいられなくて、わたしは頭が混乱する中仕事場に向かっていた。『麻菜……好きだ』高校生で彼から初めて告白された時と同じように、真っ直ぐな告白だった。いつでもわたしの心は彼に乱されっぱなし。仲森さんがわたしのことを今でも想っていてくれていたなんて。そんなこと……思ってもみなかった。彼をあんなに傷つけたのに、それなのにって。わたしは……どうするのがいいんだろう。何をするのが一体正解なんだろう。一晩ずっとこのことばかり考えていた。「……どんな顔して会えばいいのよ」それと同時に問題なのが、何故あの時……わたしはすぐに断らなかったのだろうということ。告白の返事を、あの時すぐに出来たはずなのに出来なかった。もう、わたしは彼の隣にいる資格なんてない。だから断るべきだったのに……あの時、隠してきた想いが断るという行為を邪魔したんだ。ずっとダメだダメだと自分に言い聞かせてきたのに。彼からの告白で、それが一気に砕け散ったような気がした。断らないとダメという思いと、素直になってもいいのかなという思い。二つの思いがわたしの心を支配している。それでもわたしは、なるべく彼と関わるのはよそうと心に決めて、会社に足を踏み入れた。「……お、はようございます」運の悪いことにウチの
「もう無理なのか?麻菜……」「え……?」「もう……あの頃みたいに秀ちゃんって呼んではくれない?」仲森さんが、いつもと違う。彼の熱い瞳がわたしを捕えた。思わず足を止めてしまいそうになった。「麻菜の笑顔をもう見ることは許されないのか?」「な、仲森さん?あの……」もう一度顔を歪ませると、彼は再び口を閉ざした。頭をクシャッと掻くと、わたしの一歩前を歩き階段を上り始めた。仲森さんの表情は見えないけれど……何だか、彼の背中が泣いている気がした。「仲森さん……それじゃあ……」仲森さんが口を開かないまま部屋の前に着いてしまい、彼に別れを告げ家の中に入ろうとした時。ドアノブにかけた手を掴まれてしまった。「な、仲森さん!?」さっきとは打って変わって、彼の強く熱い視線がこちらに向けられた。「待って、麻菜。まだ話は終わってない」「あ、え……?あの……」ギュッと力を込めて握られた右手。その拍子にドクンと、大きく胸が高鳴った。「麻菜、俺……昔と一緒だから」「え……?」昔と一緒って……どういうこと?そう思った時には、もうすでに彼に抱きしめられていた。再会してからこうして抱きしめられるのは二度目。こんなことダメだって分かってるのに……
流川さんとのデートの後の初めての出勤の日。この日はちょうど彼も出勤日だったらしく、会社の最寄りの駅で偶然会ってしまった。「おはよう、麻菜ちゃん」「……お、おはようございます」正直言うと、あれから流川さんと会うのに抵抗があった。『君のこと本気になりそう』告白ともとれるこの言葉を聞いてから、わたしはおかしい。今も顔を見ただけなのに、胸が熱くなっている。「そう言えば、今日は一緒じゃないの?」「え?誰のことですか?」「麻菜ちゃんと一緒に来たって言う……ジョンって人」「あぁ……いつも一緒ってわけじゃないですから」流川さんは全く気にしてないみたいだった。わたしばっかり意識して……バカみたい。それから他愛ない話をしながら、二人で並んで出勤した。ちょうどデパートの社員用出入り口のところで、仲森さんに会った。彼もちょうど出勤したところだったのだ。「あ……」お互い顔を見合せたまま固まった。わずか数秒なのに、わたしにとってはかなりの時間に感じた。「麻菜ちゃん?」何も話さずただ仲森さんを見つめていたわたしに、流川さんが声をかけた。仲森さんも流川さんも、まるでお互いなんて見えていないみたいだ。お互いの存在をかたくなに無視している。「麻菜」流川さんに呼ばれ、再び彼の隣へ行こうとすると。真剣な眼差しの仲森さんに呼び止められた。「おはよう」わたしの頭を軽く撫でた仲森さんは、スッとわたしの横を通り過ぎた。